サクラ下の平屋の定期メンテ。住まいを通して価値観が変わる。
- 2018-11-27
- 仕事の風景
先週末はサクラ下の平屋の定期メンテナンスへお伺い。
雨の降る冷え込んだ日。
山沿いでは降雪。
そんな寒い日にお伺いしたのですが、玄関に入るとホッとする暖かさ。
寒い日に実感する断熱性能の高い家の暖かさのよさ。
この体感をすると、性能の低い寒い家はつくりたくないと思います。
だからこそ暮らしの工房の家は高性能の暖かい家をスタンダードとして提供しています。
そんな話をオーナーさんと話していたところ。。。
「でも、岡沢さんは本当の暖かさをまだ知っていないんです。良さをまだ知らないです。本当に良さを感じる時は朝ですよ。朝が寒くないのは本当に嬉しい。」
と、うらやましい感想をもらいました。そして早く家を建てなさいというプレッシャーを・・・笑
暖かい家、いいなぁ・・・欲しいなぁ・・・そんな欲求もあり、どんどん高性能化が進んでいるし、推奨しています。
住宅地の中に佇む平屋の住まい。
暮らされてからは近所の人も興味津々で、「家を見せて欲しい。」と仲良くなってから訪れることもあったとか。
また、用事で訪れた人が2度、3度と訪れる度に天井の変化など、新しい発見をしていくのも面白いとか。
設計中は小さくないのか?収納は大丈夫か?もっと大きな方が・・・なんて思っていたけど、いざ暮らしてみると、
「大きくしなくて本当によかった。他の大きな家に遊びにいくと大きさと暮らしを想像するとゾワゾワする。住んでみて全然小さくないし、毎日一通り掃除機もかけられる。価値観が変わった。」
と、嬉しい言葉も頂けました。
家の大きさは一般の人ではとてもわかりづらいのです。
これはプロでもわかりづらい。
だからこそ、〇〇畳や〇〇坪という数値上に置き換えながら判断せざるを得ないのですが、この数値上は正直あてになりません。
20畳あろうと狭く感じる設計であれば狭さを感じるし、6畳でも広さを感じることがある。
数値上の大きさは実際の大きさに直結してしまうため、無駄に大きくなり暮らしにくさが出てします。
広さを感じる小さな設計をすれば、無駄な部分はなくなり適度なサイズの暮らしやすい家ができる。
この辺りはスケール感覚を身につけるための訓練が必要です。
スケール感覚を無視して数字だけを追いかけてしまうと、暮らしにくい家になってしまうので注意が必要です。
設計中、何度も何度も繰り返しお伝えしながらも「本当にそうか?」という疑問が残ってしまうのも事実。
目に見えない、イメージできない段階では、最後は任せて頂くしかない。
そんな大きな決断をしたオーナーさんに、「価値観が変わった」という一言は大変嬉しい言葉でした。
そして、プロとしての面目も立ったということで、一安心。
小さな暮らしは暮らし方の工夫もありますが、家の在り方が大きいのです。
小さくても広々暮らせることが私は大事だと思います。
そのためには家をヒューマンスケールに落として家づくりすることが大切です。
小さな暮らし、小さく暮らすというのが、雑誌や書籍でブーム化していますが、「そんなストイックな暮らしはできない」と諦めているあなたにぜひ知って頂きたいと思います。
そんな家づくりを学ぶ機会を「暮らしの教室」で開催しています。
小さく暮らすなんて現実的に無理と思っている人にこそ聞いてもらいたいと思います。