林芙美子記念館。心が休まり、愛らしく美しい住まい。
- 2019-02-05
- 建築見学
東京出張の際に、林芙美子記念館へ。
林芙美子という人がどんな人か、恥ずかしながら全く知らなかったのですが。。。
放浪記の人なんですね。。。森光子しかわからず。。。
直江津や継続団子も出てくるようで。
もっと知識があれば案内してくれた方とも深くお話ができたかと思うと少し残念。
林芙美子記念館は、元は林芙美子の住まい。
建築家山口文象が設計した住まい。
戦中の材料が不足する中、大きさに制限がかけられていた中で、2棟を分棟して建てられています。
サイズも小さく佇まいのいい平屋の邸宅です。
林芙美子は、放浪記が当たりたくさんの資金を持っていたとか。
この家をつくるに当たり、相当な資料を読み漁ったり、京都に通ったりと相当熱を入れたよう。
建設費は現在の価値で4億円相当らしい。さすがとしか言いようがない(笑)
ただ、家は目に見えるところでいい意味で4億の面影があまり感じられずいやらしさは全くない。
その分丁寧な仕事が施され、技術にお金を費やしたとのことは、家づくりを熱心に勉強した成果だろう。
文化人のお金の使い方という感じが、目に見えない心地よい佇まいを作っているのかな。。。
色々と調べると林芙美子は「数奇屋は人間が住む家ではない、心が休まるのは民家だ」と言っているらしい。
肌感覚がもともと優れた人なのかもしれない。
「生涯を住む家となれば、何よりも、愛らしい美しい家を造りたいと思った」そういう考えのもと、家づくりされていたとのこと。
この考え方は、現在の家づくりにおいても非常に重きを置かなければならないこと。
「心が休まり、愛らしく美しい。」
この精神は家づくりにおいてとても大事なことだと思う。
とてもよかったし、勉強になりました。
心が休まり、愛らしく美しい。とても共感するというか、考えていることが一緒でそれが言葉になっている。家づくりの座右の銘になりそう。
林芙美子はこの環境で執筆作業を行い、47歳の若さでこの場所で亡くなった。とのこと。
文学に無知でその人とか作品を知らないのだけれど、住まいを通して少しだけその人の考え方を垣間見ることができました。
住まい環境は住まう人の考え方や生き方が現れてくると思う。
単に消費行動として家づくりをするのではなく、暮らしのベースとしてしっかりとしたものを築きたい。