外壁の選択肢。
- 2016-09-29
- 家づくり教室
暮らしの工房で選択している外壁の種類は3種類。 左官仕上げというコテで塗るタイプ、木を張るタイプ、鉄板を張るタイプ。 地域環境(海に近いかなど)や建築基準法の問題(防火規定の有無)、好みやランニングコスト、イニシャルコストなどバランスを見ながら計画提案しています。 だいたいの選択理由は以下に。
左官仕上げは、塩害対策や基準法を容易にクリア出来る万能タイプ。メンテナンスも容易でランニングコストがかかりにくいが、イニシャルコストが他の選択肢と比較して圧倒的に高い。生涯の金額を含めるとお得な外壁材と言える。
木を張るタイプは、塩害対策に有効(海辺の昔からの家はほぼ木)。防火規定のあるところでは、下地に特別に仕様を変えてやらねばならないが使えないことはない。メンテナンスは塗装で木を保護してあげるととても長持ちするし、万が一腐っても比較的変えやすい。気になるなら色落ちのしない塗料を選ぶのがベスト。経年変化が大きく楽しい。イニシャルコストは安価だが、ランニングコスト(塗装等)はかかる。塗装落ちが気にならない防腐剤を使うととても使いやすい外壁材と言える。
鉄板タイプは、イニシャルコストがかからずに容易に防火規定がクリアしやすい。塩害対策に若干難があるために環境によっては使いづらいが、現在の鉄板の構成材料を見ていると、耐久性がとても高いと思われる。雨によって塩を流してあげるとより良いので、軒の出たプロポーションには向かず、軒を出さずに作りたい。その場合には雨漏り対策に気を使わなければならない。ランニングコストも少なく、コスト面で有効な材料と言える。
これらの条件を鑑みながら、それぞれに最良の選択をするようにしています。 まだまだいい材料があればいろいろと選択肢が増えればと思っています。
逆に選択肢から外しているのが、タイル調や木目調、左官調などが成形されいろいろな好みを合わせられる窯業系サイディングと言われるモノ。少なく見ても日本の家の半数以上を占めているかも知れません。大変メジャーな外壁材。
しかし、私個人の見解としては使うには躊躇してしまう原因があります。 それは、塗装メンテナンスしないと耐久性に脆いこと。(高額な商品はそうでないかもしれませんが、高額な場合は、塗り壁にしてしまった方がよい)材料の継ぎ目継ぎ目にコーキングを使うが、コーキングは切れる前提で使うモノ。擬似製品なので見た目が良くない。施工が簡単で早いがメンテナンス性が悪いという、施工側から見たメリットで作られた商品であるということ。
もちろん、いろいろなパターンを簡単で安価に選択出来るという施主側メリットもあるが、暮らしの工房ではもっと違う側面から住まいを提供したいので、この外壁材とは価値観が合わないのです。
現在2棟がほぼ同時に工事が進んでいる状況です。 外壁2パターン。左官仕上げと木の外壁。 左官仕上げとした方は、火山灰で作られるそとん壁。 木の外壁とした方は、焼杉に塗装したモノ。暮らしの工房初採用。木下見に黒塗装が捨てきれず、色落ちしてもそれなりの風合いが残ろだろうと思い切って採用を決めました。
大潟の家は8割ぐらい外壁工事が終わってきました。雑木林などの緑がよく映え、建物が消える効果があり、緑の多い環境には最適だと感じています。
2つの家の外観も見ものです。 見学会はその点もお楽しみ下さい。