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コラム
column

家づくり教室〜畳リビング〜

暮らしの工房の設計について写真を使って少しづつご紹介。 不定期でお届けしながら暮らしの工房家づくり教室簡易バージョンのようにご提供していきたいと思います。

まずは、定番化しつつある「畳リビング」について。 畳リビングをなぜ多くの住まいで採用されているかと言うと、一番はゴロっと家の中では油断してくつろぎたいという思いから。 私自身、ソファに座って過ごすということができず、結局ソファに寝そべってくつろぐ性質があります。

これはみなさん、わりと共感してもらえることだと思いますし、採用されるオーナーさんたちはこの意見の賛同者。 さらに最近は、畳リビングの上に作り付けのソファもセットするものだから、そこはもう、極上のリラックス空間に。 これらは要望もそうですが、設計者、住まい手総意のもと、思いっきりだらけきる空間になるのです。 もちろん、ソファで優雅にスマートに過ごすというのに憧れがないわけでもない。そんなとっておきの意中のソファもあったりしますが(笑)

さて、こんな想いで計画される畳リビング。 フローリングを畳に変えるだけで、そこはダラケきった極上のリラックス空間…にはならないのが、住宅設計の面白いところ。 そこには人の営みがあるわけで、単純にはいかないのです。 写真でもすぐ気付くと思うのですが、畳リビングはだいたい一段上がっている。 見学会でもなぜ小上がりになっているのか聞かれることも多いです。 居酒屋なんかで小上がりなんかは、ちょっと変わっていて靴を脱いでくつろげる。そんな感じ…ではなく、人の暮らしの中に起因することから小上がりになります。

現在の住宅の場合、リビングとダイニングが同一空間に存在し、連続することが多いです。暮らしの工房でもそれは同じ。 同一に存在することで、ダイニングテーブルとチェアという高さと、床に座るという高さの差がどうしても暮らしの中で出てしまいます。 試しにダイニングテーブルの近くに座ってみてください。 居心地の悪さにくつろげませんから。

畳リビングだとどうしても寝そべってしまう。 そうすると座った時よりも余計に居心地が悪い。 人と人の距離感もそうですが、人とモノの距離感も大事です。 それを解消してくれる一つの手段が床を上げるという方法なんです。 居心地のよさは人やモノの距離感、関係性を適切にしてあげることが大事で、それが設計をするということです。

聞いたことのあるお話で、巨匠吉村順三は「家づくりは家具配置の結果だよ。」と言われていたとか。 とても沁みる言葉です。 そんな理由もある小上がりの畳リビング。 小上がりにすることで色々と整合性が取りやすくなります。 床下地が面でつながるため構造に影響がない。(面剛性が取れるということ) 小上がりは通路になると不便だから、通路とならない隅っこに追いやる空間になる。そうするとパブリックな空間よりも油断できる空間になるため、くつろぎやすい。

静と動なら確実に畳リビングは静になるので、そういった性質を持つ空間では、相性が良いのです。 まだまだリビング周りでもたくさんの関係を設計で処理して、空間においての居心地のよさを作っているので、見学会や、個別勉強会などで聞いてみてください。 ブログ上で全てを出そうと思っても、拙い文章では限界がある…(汗)

ダラケきる極上空間を作るには、自らダラケきる生活をして検証を重ねる。そんな勉強の毎日です(笑)


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