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コラム
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構造塾に参加。みなさんがいい家をつくるための判断基準。

昨日は新潟市にて、構造塾という木造住宅における構造の考え方の勉強会に参加して来ました。 構造を考えるとは、家の安全を確認すると言うこと。 現在、普通の木造住宅をつくる場合3パターン(3段階の難易度)の確認方法があります。

構造検討の難易度が高くなればなるほど、安全率が高くなるということです。

まず一番優しいのが、基準法で定められている仕様規定というもので、安全性を判断するもの。 壁の多さやバランス、柱にかかる力などを設計士が計算するものです。 このことを構造計算だと誤解している設計士も多いので注意が必要ですが、違いますので要注意。 木造住宅はこれら計算は絶対にやらなければならない義務規定になります。 しかし、確認申請という行政の審査には、計算書は提出義務がないので、曖昧なまま家をつくっている人もいるのが現実。 この提出義務がないのをわざわざ確認しているから「構造計算している」と勘違いする構図があるのだと思います。 どんな家でも仕様規定の計算は行わなければならない。これは必須です。

その次に難易度が高いのが、性能表示計算で確認する。 耐震等級1、2、3とランク付けされるのがこの段階の計算方法。 簡単に言えば壁の量で決まるランクで、等級1が基準の1倍。等級2が基準の1.25倍。等級3が基準の1.5倍の壁量を持つことになります。 等級の数字が上がるごとに安全率が上がるとイメージ出来ます。 この段階の計算では、壁の量や床の強さなんかを計算するのですが、梁や基礎の仕様は、ある表を基準に決定していて決めるので、いまいち根拠にかけるというのがこの段階です。

そして最高難度なのが、許容応力度計算などを行うもの。 この段階の計算を「構造計算」と言います。 ここでは部材一本一本や基礎の必要強度が計算から導き出されます。 全てに根拠を持つので、安全率はより高くなります。 木造の3階建をつくる時は、この計算が義務になっています。(3階建は危ないのでしっかり安全性を確認してくださいということ) この構造計算を行なって耐震等級をクリアしていくことが一番安全率が高まる家づくりです。

どこの段階で家をつくるかは正直、業者に委ねられていると言ってもいいでしょう。 プロ(家をつくる業者)でも、具体的に理解していないこと、勘違いしていることが多いと言われています。 木造住宅は経験と勘でつくるもの。とないがしろにされてきた木造住宅の構造分野。 でも、根拠を知らずに経験なんか積めないし、勘なんかあるわけがない。というのが印象的。 そういうのをテキトー(適当ではない)につくるということなのだと。 このことはとてもよくわかる。

やはり根拠って大切だと思って、暮らしの工房では構造計算の段階を採用して安全性を確認しています。

以下は完全に施主目線でのいい家のつくりかたについてのアドバイス。 構造塾主催のM’s構造設計さんが一般ユーザー向けに家づくりセミナーを行う時にお伝えしていることに共感しました。

いい家を作るためには完全に業者選びが重要。 家選びをするのは施主次第。 耐震等級を提示しているところは鵜呑みにせずに計算書を見せてもらえ。 計算書が出てこないということは出来ないという判断基準になる。 性能表示も同様。計算書があるかどうかを確認する。 長期優良住宅ができるかどうか?(できるということは計算書をつけて認定してもらっている)

こういったことが、まずちゃんとしている業者かどうかの判断になるとのこと。 中には、長期優良住宅、性能表示同等を謳いながら、勘で根拠なくやっているところもあるようで…

施主は家をつくる時に、ある程度勉強はするのかもしれないが、やはり限界がありプロの言うことには勝てないところがあります。

家づくりの細かなことを学んでもずっと役に立つわけではないのも事実。 業者を選ぶのに最低限の基準を持って考えることが大事だと思います。 その一つが計算書があるかどうか。 根拠を持って家づくりに取り組んでいるかどうかが、いい家をつくるための判断基準になると言うのは、家をつくる業者としてもとても共感するところです。

では、暮らしの工房は…いつでも聞いてみてください(笑)


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