メニュー
3-6-35mahorobakanⅡ-A, Kokufu,
Joetsu-shi, Niigata, 942-0082, Japan
コラム
column

家を建てるための土地探しのコツ。

家を建てたいなぁ。 そう思ってからまず始めに思いつくのは、土地を所有していなければ土地を探さなきゃ。となります。

そして不動産情報が集約されているホームページだったり、近くの不動産屋さんだったりを訪れて「家を建てたいので土地を探しています」とお店のドアを開けるのが一般的かもしれません。 はたまた、漠然と家を建てたいから住宅メーカーの展示場などへ訪れると、対応してくれる担当営業者が希望のエリアにある土地を紹介してくれることもあります。

でもちょっと待っていただきたい。 実は不動産屋さんや住宅メーカーが価値のあると思う土地と、実際に家づくりにあたる設計者、工務店が価値ある土地と考えることには大きな価値観の違いがあります。

単純な不動産の価値というのは、エリアや道路の幅、駅が近い、インフラ設備が整っている、整形など、比較的売りやすく買い手も簡単に見つかりそうな土地が、人気とか、価値ある、今ですよ。感たっぷりな感じが、不動産屋さんにとっての価値ある土地であると思います。

不動産屋さんは不動産手数料で商売をしているので、価格が高ければ高いほど利益は増え、価格が下がりにくいうまみたっぷりな土地ほどいいのです。 住宅営業マンも同様、流動性が高く、規制プランを簡単に置くことができれば難しくなく早く仕事ができるということで、価値が高い土地であるでしょう。 もちろん経済性を考えたら一番出し、買い手もわかりやすくお求めやすい。

もしあなたが家づくりに興味があり、家づくりや暮らしにいろいろな可能性を求めたいのであれば、設計を得意としている工務店にも目を向けると、土地探しの段階でより充実した家づくりを送ることができると思います。

設計に力を入れている工務店であれば、不動産屋さんや住宅メーカーが見向きもしない、売りにくい、価値なしとみる土地が、設計者としてはとても魅力的な価値あり土地として違った価値観で見ている時があるのです。

それは俗にいう「ヘタ地」と言われる不整形や敷地条件が厳しい、不動産価格として低価格な物件に多く見られます。 そしてそれらをなぜ設計者は価値ありとみるかというと、土地に資金をたくさん取られることなく、建物に資金をかけられる割合が増えるから。

そして、建物に建てられる資金が増えたぶん、あんなことができる、こんなこともできるとたくさんの暮らしの提案や、心地よい空間づくりに腕をふるうことができるようになるからです。 だから設計者はヘタ地のような価格が下がりやすい土地に、頭を使って設計を組み立て、家づくりをしていきます。

写真はケヤキ下の家の敷地状況を象徴した画です。 北側に公園があり、公園内に大きなケヤキがあり、静かで緑豊かな環境、さらに整形で80坪ほどある敷地。 これは不動産屋さんから見ても、設計者から見ても価値ある土地と一見そうなる。

しかしこの場所は長い年月が経った昔の住宅地であったのに、家が建った形跡はなく、ずっと畑として利用されていた場所。 住宅地を造った場合、一番最初に売れそうな立地の土地なのに。 それでもずっと建物が建つことがなかったのには理由があります。 それは写真左に立つ電力会社の鉄塔。

この鉄塔の高架線が敷地内を通っているために、地役権という自分の土地なのに建物を建てる権利を抑えられている縛りが付いていて、敷地を斜めにおよそ半分に分断されているのです。 その難しい条件が付いているためになかなか土地の買い手もなく、畑と利用されていた土地でした。

オーナーさんも土地候補としては、売りに出ているからという理由で候補に入れて最後方での順位として見せられた土地。 まずは家が建つのかどうか?という疑問さえもあった土地。

そんな相談を受けながら土地探しのアドバイスを一緒にしていたのですが、周辺環境、敷地サイズ、建物サイズを読み取り、十分家づくりは成り立つし、楽しい暮らしができそうだと、候補の中ではダントツ魅力的な土地である。と伝え、土地を手に入れることになりました。 そしてこの土地の価格は、周辺価格よりも大幅に安い価格でもあったのです。

その結果がケヤキや公園に大きく開いた開放的な住まいを手に入れることになります。 さらに断熱性能をランクアップさせてトリプルガラスを使ったり、内装材にはヴィーナスコートという卵の殻を使った自然素材の塗装仕上げとしたり、暮らしに関わる家づくりにプラスの方向へ向けることができました。

家づくりと土地探しは資金のこと、設計のことでも密接に関わります。 家を建てたいと思ったら、土地を探すのではなく家を建てるところを探す方がメリットは多くあると思います。

まだ土地がないから相談に行きにくい。 そう思わなくてもいいのです。 土地の前に家づくりのパートナーを探しを最優先することを強く勧めます。

もちろん、暮らしの工房でもいつでも相談に応じますので、お気軽にご相談ください。

そんな土地探しのストーリーがあるケヤキ下の家は仕上げ段階に入り、いよいよ完成も少し見えてきました。

見学会を9月9日(土)、10日(日)を予定しています。 詳細はまだ計画中ですが、とりあえず日にちだけご報告。 毎度のことながら、見学会は予約制とさせていただいています。 実際に暮らす人数に近い状態で、住まいをゆっくり見学していただきたいからです。

まだ、色々と詰めなければならないことが多いのでオープンで情報を出せませんが、前もって詳細情報が欲しいという方はお問い合わせいただければ応じさせていただきます。 よろしくお願いいたします。


関連記事
  • 横曽根の家の完成見学会を開催。

  • 家づくり教室~土地を探る~

  • 庭がつくる影。

  • グラスウールは危険な断熱材というトンデモ情報。

  • ミーレの食洗機で手にする自由な時間。

この記事をシェア