DIYで家づくり?職人さんの仕事。
- 2017-08-01
- 家づくり教室
住まいの内装仕上げは、ビニールクロスだったり、壁紙だったり、塗装だったり、塗り壁の左官だったり、今はいろいろな仕上げのやり方、価格帯が千差万別。
暮らしの工房ではビニールクロスは使わないけど、壁紙、塗装、左官、それぞれの好みや予算に合わせて内装仕上げを決定しています。
壁紙は1m幅ほどの紙を糊で貼るので、空気が入らないようにしたり、継ぎ目を綺麗にカットしたりする技術が必要。
塗装は何と言っても下地の作り方で全てが決まる。そして気を使うのが周りを汚さないための養生。それらに十分気を払った後に塗装仕上げを行う。
左官も塗装同様。下地づくりが大事。 そして塗り物はコテやローラー、ハケといった塗り跡をどのようにするかが職人さんの技術になります。
手間と細かさからいえば、壁紙仕上げより塗装や左官仕上げの方がたくさんある。 だけど最近のDIYブームでは、自分の体とホームセンターに売っているコテやローラー、ハケで出来る塗装や左官がメインかもしれません。(壁紙には糊をつける機械が必要だからか?)
DIYは家づくりを楽しむ上で、自分の家をつくっているという楽しさを得るためにやるのは大いに賛成します。 自分でつくったムラなんかも楽しさの一つです。 家に愛着をより持てるようになるのはとても大事なこと。 ただし、「DIYした方が安上がりになる」とお考えの人はよく考えられた方がいいです。
そういう考えでDIYを行うと、技術の難しさと苦痛で妥協にしかならず、安くもなく、いいものにもなりません。 塗装や左官は、仕上げ材を塗っている時がメインではなく、下地づくりが仕事の大半を占めています。
もし、あなたがDIYで壁仕上げをイメージして、ローラーやコテを持って塗っているイメージがあるとしたら、それは、料理の下ごしらえ、味付けが全部出来上がって、後は盛り付けるだけ。
盛り付けだけをするイメージと一緒なのです。 料理人の仕事がほぼ終わっているので、安くなるはずはないんです。 (もちろん盛り付けだけでも楽しみたいんです。そんな方は大いに結構です。ようは楽しむことが前提であれば。)
もしDIYをやりたいのなら、下手でもいい、不恰好でもいい、不味くてもいい。 それでも料理を楽しみたいんだ。 そんな段階からやることをオススメします。 そこは、コストうんぬんではなく(この段階からやればコスト削減になるかも…)純粋に自分の家づくりを楽しむためのコト。
そんな仕上げに向けての職人さんの仕事をご紹介。
パテを数度に塗り分け、都度研磨して研いでいきます。 最後の研ぎでは本当のツルツルな状態にまで仕上げます。
建築によってはこんな職人泣かせな空間にも。 光が真横に走ったりすることで、壁や天井、パテの凹凸を容赦なく拾い、目立たせます。
職人さんはそれらを敏感に感じながら、徹底的の下地づくりをするのです。 それもこれも、仕上げを塗る時に綺麗に見えるかどうかはこの段階にかかっているから。
それらの仕上がりを見ると、職人魂を感じるのです。 そんな姿を現場で見届けながら、綺麗な仕上がりを見ると、安易に安くなるから、コスト削減でと、DIYをオススメすることができません。 職人さんの労力と技術を無下にしたくはないのです。
それでもDIYをぜひやりたい。そう思っている方はぜひご相談ください。家づくりを楽しむために全力で職人さんとともにサポートいたします。