column
西本町の家の隣の建物。
- 2018-06-12
- 上越風景採集
西本町の家の隣の建物が気になる。 見れば見るほど愛嬌なものを感じられ好きになっていく。 まるで隣の席になった子のことを意識するかのように、眺めているとその魅力に気づきはじめる。 それはなぜだろう…と現場で思いを巡らせる。
壁の量や窓のバランスが絶妙にいい。 美しさというよりは包容力を持ったプロポーションで、愛される空気、受け止める空気をまとっていて、それが愛嬌を感じる要因なのかもしれない。 電気メーターがついたり、政治家看板が無造作に立て掛けられたり、ゴミ集積箱が足元にあったり。 それらをどっしりと優しく受け入れてる感じがする。 新しい建物も古い建物もこういった空気感を纏えば、まちの空気が変わる気がする。 自分の好きな感覚、プロポーションなんだろう。
さて、西本町の家はどんな空気を出してくれるか… 西本町の家で考えた形は、周囲の建物の面、マッシブ感にどう対応するかということ。 夜遅くまで明るい環境を解決するため、ファサード(正面)に窓を持たない今回の家。 一見、端正になりがちな佇まいをどう崩すかが密かなポイントだったり。 設計者の性格上、ガッチリとキメキメにするのがどうも恥ずかしいので、どことなくゆるさがあるような設計をする傾向にある。そういうのが好きというのもある。
今回なんとなくお隣といい空気を共有できそう。 出来上がりが楽しみ。