パンケーキと断熱リノベのお話。
- 2019-05-07
- 仕事の風景
かつてない大型連休みなさん、有意義な時間を過ごせたでしょうか?
私はちょうど現場が終わりと始まりの間で、設計はたんまりあるものの。。。いつもじっくりと取れない家族の時間も多めにとることに。
真ん中で予定がない一日を仕事日に当て、あとは家族の時間に。
これほど長く休むと体がおかしくなるのか、後半は発熱と目の奥の痛みに襲われるという結末に。。。
仕事日初日はスッキリ回復してました(笑)
そんな連休前半、、、連休直前は今年から参加している多摩川建築塾に参加するために上京。
多摩川建築塾では色々な建築家のレクチャーを受けることができる機会であり、11月まで月一開催の夜の建築勉強会。
今回は泉幸甫さんのレクチャー。
カタログでおこなう家づくりの危うさ、素材の実験、実践を繰り返し確立したもの、現代の技術が可能にするこれからの建築のつくりかたなど、2時間半に及ぶ講義でした。
その翌日は、建築知識ビルダーズの編集長・木藤さんから、「今回の断熱リノベの物件について話が聞きたいから、上京時に。」との連絡があったので、ミッドタウン近くのパンケーキが有名なカフェで小一時間お話を。
フワフワ極厚パンケーキはとても美味しい。。。が、1/3ほどで限界が見えてきて完食できず。周りの女子たちはこれぐらいをペロリと完食していたのでおそるべし。
ラーメンなら大盛りだって余裕なのに。。。
甘いものも嫌いではないけど、食べ続けることの難しさを痛感。
今回の断熱リノベでは、不動産屋さんが販売している中古再販の住宅を購入しようとする経緯がありました。
その物件の情報を見たときに建築屋の目線でとても大事なことが抜け落ちていたことから、思いとどまるように説得。中古住宅購入+断熱リノベという手法を提案したのがきっかけでした。
もともとそのようなきっかけだったので、中古再販住宅や建売、ローコスト住宅と対等に勝負でき、なおかつ暮らしの工房スタンスは崩さないという難しい挑戦をした物件。
暖かく暮らしやすくお手頃に。のために、割り切るところは割り切り、かけるところはかけて、バランスを取りながら程よいところへ着地させたお話をしました。
新築では年間2、3棟が限界の暮らしの工房の家づくりは、世間的にはマイノリティな家づくりなのだろう。
日本の家づくりの市場は、圧倒的に前日に泉幸甫さんからも聞いたカタログによる家づくりであり、企業利益と消費者の欲望のスパイラルによってつくられた家づくりが圧倒的。それらが、今売れればいい、今が良ければいい、今のコストが抑えられればいいという、将来に不安な状態がつくられている。
そういう状態を少しでも改善したいと家づくりしている上で、今回の断熱リノベはとても意義のある挑戦だったのだと感じている。
表層だけでなく、本質を改善していくリノベーションはもっともっと増えるといいのだけれど、そこには大きな壁があるのも事実。
そんな現状を相談しながらお腹はパンケーキで満たされていきました。
パンケーキに白旗を振ってからは、ビルダーズがつくられている出版社エクスナレッジへ。
連休前に発売された建築家中村好文さんの著書「湖畔の山荘設計図集」の原図を見せてもらいました。
一枚一枚手書きで書かれた図面はそれだけで力がある。
手書きで図面を描いたことのない世代としては、神々しくて気安く触れることができません。
書籍の制作秘話なんかも聞けたりと、読み進める前から色々と情報が入りました。
まだ読み始める前から、原図を見るという貴重な体験。
ほうほう、ここがあのとき言っていたところか。と楽しみながら、これからじっくりと読み進めたいと思います。