column
夜の庭の楽しみ方。
- 2020-05-18
- モノコト
木に葉がついて、日中は光が当たるとキラキラし、雨が降ると緑が濃く鮮やかに見え美しく、全天候で楽しめるのですが、夜は夜で違った表情を見せとても楽しめます。
ただし、夜は外と明るさが逆転しているのでそのまま見ると家の中が丸見えに。
そして、ガラスに中のあかりが反射して外をクリアに楽しむことができません。」
だから家の中の照明を消して、もしくは邪魔にならない程度(スタンドの豆電球をつけるぐらい)にして、外のあかりを家の中に導きながら楽しみます。
これで外からは家の中が見えないようになります。
外の夜景を楽しみながらゆっくりとお酒を頂く。
家事も終え、一日の最後にゆったりと心地よい時間をつくれます。
庭の照明は月明かりのように上から照らす。
というのが荻野さんの教え。
下から木を浮かび上がらせるアッパー照明ではないので、土間に木の影がほんのり写り、夜でも陰影を楽しむことができます。
陰影をつくる心地よさは昼も夜も同じです。
家の設計をしていて思うことは、暮らしをギラつかせないということかもしれません。
しっとりと落ち着きのある、ゆるくなれるそんな空間の方が暮らし方としていいなぁと私は思います。
これはあくまで設計者の個人的好みですが、家づくりを考えている皆さんも家の表面的な部分もいいですが、どんな暮らし方、空間のあり方という大きな枠組みを考えることも大切です。