家の灯りとインテリアの関係
東京へ行った際に、建築家宮脇檀さんの松川ボックスがギャラリーとして見学できるということで、予約して見学してきました。
鉄筋コンクリート造(RC造)と木造を併せた構造の混構造というつくり方。
もっぱら私は木造専門で家づくりをしていますが、そこには構造とスケール感の感覚が関係しています。
構造方法は、木造、RC造、鉄骨造(S造)など様々ありますが、それぞれ得意とする空間構成があり、木造は比較的小さな空間構成に向いていると考えています。
素直に設計すると、構造に合わせたスケールでつくり安定感が生まれ、スケールにいい裏切りがあると、そこがダイナミックさなどの感じ方に変化が出てくる。
そこが建築の面白さでもあります。
松川ボックスは混構造。
外観はRC造。
内部に入るとRC造ならではのダイナミックな空間がありながら、木造が組み込まれて小さな空間がつくられて、一気に身体感覚に近いスケールを味わうことができ、ダイナミックなのに親近感のあるとても居心地が良い空間でした。
RC造がつくる特徴的なトップライト。
そこから白い天井、壁を介して降り注いでくる明かりがとても心地よい。
この効果は絶大でした。
こういった空間体験を幾度となくしており、暮らしの工房が作る住まいの基本的なインテリアは白で構成することが多いです。
白い壁には効果的に光を回して柔らかな空間をつくるという作用を期待しています。
インテリア内装を好みに仕上げるというよりは、空間の効果を考えながら建築全体で整えたいと考えています。
流行りの色や柄みたいな考え方でつくらない。
しっかりと説明できるような選択をする。というのが決まりごと。
この考え方は照明計画にも通じます。
照明計画としての基本は、夜は夜らしい灯り。居場所に灯りを落とす。というような考え方。
居場所の灯りが壁、天井を回って、家全体を行燈のような柔らかい灯りで包むような計画を基本として考えています。
ダウンライトで全体を明るくするのではなく、人の居場所にペンダントライトやブラケットライトなど光源が近くなるように配置。
そうすると必然的に壁等に近い位置に灯りが位置し、壁天井をぐるりと灯りが包み込むような柔らかい灯りになります。
ダウンライトやシーリングライトなどの天井照明では、天井面が照らされにくいのでなかなかそういう効果が得られにくい。
また、天井面が綺麗にならないので基本の照明にはダウンライトを使うことがありません。
壁や天井は灯りをどう感じさせるか?
という役割を担っていると考えています。
照明計画や日中の灯りの計画は、インテリアと切っては切り離せない関係。当然内部空間や人の溜まりとも。
照明器具メーカーなどに依頼すると自社器具で照明提案してくれるサービスもあるようですが、建築空間と分離して考えることはできないので、照明計画も設計者の大事な役割。
たくさん建築体験して、引き出し増やしておかなきゃな。。。と、改めて思います。
建築好きじゃなきゃできない仕事だな(笑)
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