想像できる距離を保つこと。イノシシの肉を料理する。
- 2019-12-04
- モノコト
協力業者さんから「イノシシあるけどいる?」と言われたので2つ返事でいただきました。
正確にいうと、家ではジビエは私しか食べないので「全て自分で消費か。。。大丈夫か?」と頭を巡らせながらもやっぱり好きなので頂きました。
普段、意識しない訳ではないけど(食べ物はしっかり食べきります)、釣った魚をもらったり野生の食材を目の前にすると命を頂いているというはっきりとした感覚を覚えます。
買い物から得られる食材と直接もらう食材、本来は同じ命ではあるのですが、多くの人の手(生産者、輸送、加工、販売、お金。。。)が関わることによって末端の消費者は意識が薄れていく感覚になっていることに気づかされました。
「イノシシ獲った人から1頭もらったけどいる?」という、今まで上越の地を駆けまわってたことが想像できてしまう距離感はとても大切なんだと感じます。
一気に命が近くなり、尊く感じる。
おそらく、その想像できてしまう距離感のために家族はジビエが苦手なんだろう。
この想像できる距離感は、食材だけでなくあらゆるものに今一度取り戻す必要があると考えるきっかけを、このイノシシにもらったのかもしれません。
私は家づくりがメインだから、家づくりにおいても同じ。
家をつくる職人、材料を加工、製造する人、メーカー、材料を生産する人、現場を指揮する人、設計する人。
多くの人が関わる家づくり、その人や素材のストーリーが少しでも伝われば、家に関する想像力は膨らみます。
材料が地元や近くであれば少しは容易かもしれませんが(ジビエ効果と言ってみる)、それだけではなく、たとえ遠くの材料でもその地のことやそこの環境のこと文化のことを想像できる距離感に持ってくることができれば、安易な選択をすることなく家づくりできるのだと考えてみました。
想像できる距離感を詰めることができるかどうかは、家づくりをする私たちにかかっているのだと思うから、今後しっかりと伝え実行していこう。
食から学ぶことがたくさんあると常々思います。
ということで、昨日のお昼は事務所でイノシシ肉を使ったうどんをつくりました。
イメージは鴨南蛮的な感じで、肉の味をしっかり味わうこと、脂が多そうだったのでスープにしっかりと含ませようという魂胆。
肉は薄ピンクでとても綺麗。
肉は臭みがなくとても柔らかで味は濃厚。
上質な豚肉と言った感じ。
とても美味しく頂きました。