シダレザクラの家
- 2020.12 竣工
- 新築
- 300坪を超える広大な敷地の中に佇む平屋のような住まい。
- 1階で暮らしが完結する平面プランに、2階は小屋裏のような子供部屋空間。
- 広大な敷地に負けないような伸びやかな包容力を持つ住まいを目指した。
- 敷地内にはシダレザクラが植わり、
- そのシダレザクラを利用しての平面、配置計画。
- 周囲は田園に囲まれ遠くに米山が眺められる環境を暮らしに取り入れながら
- 冬の日射取得を得られるように南面は大きなガラスで構成している。
建物スペック
耐震性能は許容応力度計算による耐震等級2(積雪荷重1m)
断熱性能はUA値=0.37(HEAT20G1)
気密性能C値=0.3。
長期優良住宅。
設計:暮らしの工房
施工:久保田建設株式会社
南面に面したリビングは大きなガラスで構成。
樹脂サッシを使いながら樹脂框を隠すことでシームレスに外とつながるように設計。
夏は外部で日射遮蔽のすだれを用いながら、冬は存分に日射を取得し、暖房エネルギーの削減を図っている。
広大な敷地を感じながらのびのび過ごせるようなリビング空間に。
正面の和室スペースとにじり口のある壁は、アクセントカラーとして敷地に植わるシダレザクラの色から抽出して色決め。
桜が咲く頃はダイニング奥の桜から壁を伝い、リビング前に添えてあるシダレザクラにつながり、桜色に囲まれるように計画している。
リビングの見返し。
ペレット併用の薪ストーブ「アキミックス」を採用。
手軽さと楽しさが両立できるストーブ。
敷地奥にシームレスにつながるリビング空間は広大な敷地ならではの設計に。
右奥は寝室スペース。
ダイニングは桜と田園風景、遠景の米山につながる気持ちのいい空間に。
近景、中景、遠景をつくることで外部の奥行きを感じ、食事時間に風景の楽しみを添える。
季節、天候、時間によって色々と調整しながら暮らすことのできる住まいに。
LDK空間の構成がわかる写真。
リビング、ダイニングを雁行させて繋げることでそれぞれの居場所の快適性と暮らしのズレを調整している。
斜めの視線を取ることにより、さらにその奥へとつながることにより広がりを感じる空間になる。
リビングとダイニングに接するように小上がりの小さな和室を添えることで多用途で使える和室スペースに。
キッチンはシンクとコンロをセパレートしたタイプに。
キッチン奥はパントリーでその奥が玄関脇につながる廊下となる。
空間を仕切る板張りされた壁により、回遊動線がつくり出され、表動線と裏動線を作り出している。
この板張りされた木の箱は廊下側からは階段になっていて、ダイニング側からは階段下に彫り込んだデスクスペースを設けている。
キッチンからダイニングを見る。
どの方向にも視線の抜ける開放的なキッチンに。
セパレートタイプのキッチンにすることでダイニングと対面した時にも開放的で使いやすい動線をつくることができる。
小上がりとした小さな和室空間。
ダイニングとは障子でつながり、リビングにはにじり口でつながる。
篭るための小さなスペース、2人程度が寝ることのできる来客用の和室空間、ダイニングとつながる食事スペース、リビングとつながるくつろげるスペース。
状況に応じて無駄なく多用途に使用できる和室を計画。
住まいは二つのボリュームで構成。
平屋のようなプランをつくりながら、子供部屋スペースの2階のある方はそとん壁。
下屋でつながるLDK空間をつくる部分は杉板張りの外壁。
2つのボリュームを素材を変えることで強調した。
リビングから張り出したウッドデッキの空間はシダレザクラが覆うような空間に。
桜の下で気持ちよく過ごせるような場所になるように計画。
シダレザクラの脇を通って家に入るアプローチ。
前面道路からみた外観。
広大な敷地に根をはるように重心の低い住まいを心がけた。
左官仕上げのそとん壁と杉板の色のコントラスト、奥にある杉林の色合いがベースとなりながら
季節によって変わる様々な色の花が、周辺に彩りをもたらす。
家を取り巻く周辺環境と一体となって風景に馴染む、風景をつくる住まいに。