まちなかのつつまれる住まい
- 2018.11 竣工
- 新築
まちなかのつつまれる住まいは大型ショッピングセンターを目の前にし、横に立体駐車場がある商業施設に囲まれた立地環境。
終日賑わいがあり、夜も街灯が照らし明るく賑やかな環境。
そんな環境は生活に便利で高揚感に溢れ楽しい。しかし、暮らしでは高揚感ばかりでは疲れてしまう。
まちなかのつつまれる家は、そんな周囲の賑わいを感じながらもゆったりと落ち着ける暮らしが営めるように、ソトとの距離感や素材の使い方、光の取り方を考え設計した住まい。
町家のように吹き抜けを介して光を落としたり、いつくかのフィルターを通してソトとつながったり、まちなかでもソトのつながりを成立させながら、家の中に心地よいモノだけを取り入れるように計画し、賑やかなまちなかでありながら、のびのびと暮らせる内側でつつまれる住まいとなった。
防火基準が高い準防火地域で、許容応力度計算による耐震等級3、断熱性能はHEAT20G2グレードのUA値0.34。気密性能はC値0.1。耐震性や省エネルギー性でも安心、快適につつまれる住まい。
第5回日本エコハウス大賞 奨励賞
ダイニング・キッチン側にはエンガワ空間へフィルターの役割がある透ける建具でつながり、ソトへの意識ももつ。
畳リビングからダイニング。空間がつながりながら垂れ壁などの効果によって小さなスペースを意識させ落ち着きと広がりを感じさせている。
吹き抜けから降り注ぐ光は、時間、天候によって刻一刻と表情を変える。その表情を写す素材として漆喰の壁を採用した。
畳リビングからエンガワ。エンガワはソトとナカの中間的な役割を持ち、そこにつながることで間接的にソトとのつながりを感じることができる。
この吹き抜けが暖気と冷気のやりとりをする空間となり、冷房の冷気は上部から、暖房の暖気は下から熱のやりとりをするよう計画。
キッチンはオリジナル制作。ガスコンロとシンクを分離するタイプを設計。キッチンに合わせてダイニングテーブルも接続して、料理食事空間をつくっている。
建物の形状によって周囲からは囲われるようにソト空間をつくっているので、周囲の賑やかさとは一線を置いている。
階段下の空間を利用した小さな書斎スペース。
脇の小窓はソファースペースへとつながる。
周辺の建物もマッシブ感に溢れているので、相性のいいファサード面を心がけた。
アプローチは、所有していた庭の浅間石を解体して再利用。地表の熊笹の上を桟橋を渡るような楽しみのあるアプローチに。
風除室を設け、玄関から直接ソトと接しないようフィルターの役割をしている。
アプローチをソトに向かって。
周辺に緑をおすそ分けすることによって、住んで心地よく、訪れる人、周りの人も安らげるような住まい空間となる。
殺風景な周囲に幾らかな心地よさを提供する。
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